
「60人から4人へ」
私は高校の教員をしており、定期異動により5年前に転勤しました。
前任校の徳島市立高校ではサッカー部の顧問をしており、部員は60名いました。自分の母校ということもあり、転勤の知らせには、かなりのショックがありました。
それでも、新天地の穴吹高校での再出発を心機一転、決意しサッカー部の練習に参加しました。
初日の参加人数は4人でした。
これもショックでしたが、その後の練習中に生徒が居なくなったと探してみれば、自動販売機の前でジュースを飲んでいたりと、集中力が最後まで続かないことにも愕然としました。
そのような中、前任校でお世話になった県外の指導者の会合に参加する機会がありました。
「部員が4人しかいません。・・・」と話をすると
「4人もいるじゃないか。部がないわけでも部員が誰もいないわけでもないから前向きに考えるべき」と励まされました。
また、その中には「どんな状況でもいいから、試合をしよう」と誘ってくれる指導者もおり、その言葉に涙しました。
穴吹高校には伝統のあるレスリング部をはじめ野球部が熱心に取り組んでいました。「何でも協力するからいつでも相談してくれ」と体育教官室で、多くの先生から声をかけてもらったことを、今でも鮮明に憶えています。
右も左もわからない新天地で、この言葉は、私を支えてくれました。なかなかチームがうまく成長せず、苦しい時期が続きましたが、その都度、励まされ、また具体的なアドバイスもしてもらえたので、くじけることなく踏みとどまり、前を見続けることがることができました。
もちろん、生徒も根本は純粋で素直ないい面を持っていましたし、年々熱心に取り組む生徒が増えたので、ここで良い結果を残したいと強く思うようになり、現在に至っています。
「人の行動には必ずきっかけや支えがある」
目的意識を強く持っている人でも、くじけることがある。
みんながみんな強い意識を持っているわけでもない。
ましてや目的を実現するための方法がわからない、また自信がなかったら、なおさら、行動を起こすことは簡単ではない。
私は、行動を起こすきっかけやその支えになれるのは、人の温かさであると感じています。
私は、部活動の中で、このことを伝え続けていきたいと思っています。
(徳島県立穴吹高等学校 坂田雅也)